焦点 看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーの活用
②成人急性期看護学と老年看護学の教育内容の点検・評価
亀井 智子
1,2
,
江川 幸二
1,3
1JANPU看護学教育評価検討委員会
2聖路加国際大学大学院看護学研究科
3神戸市看護大学急性期看護学分野
pp.743-751
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201551
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コアコンピテンシーと看護学実習
筆者らは、一般社団法人日本看護系大学協議会(JANPU)教育評価検討委員会において「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」(以下、コアコンピテンシー)の作成および、2019年度看護系大学においての活用状況調査ならびにその活用を促進するための看護教員向け研修会に参画してきた。前稿でコアコンピテンシーの全体像(本号特集1、662ページ)と、基礎看護学での活用例(焦点①、736ページ)について述べたが、ここからは各委員が所属する大学の看護学実習における活用例について述べる。それに先だって、看護学実習とコアコンピテンシーの関係についての概要を、JANPUの報告書に掲載された図に基づき説明する。
次ページの図の中のⅠ群からⅤ群までのコアコンピテンシーは講義・演習だけで身につくものではない。その基礎となる部分は図の左側に記した講義・演習で学ぶが、特に、Ⅳ群「特定の健康課題に対応する実践能力」は、臨地実習においてさまざまな看護の対象となる人々と直接的にかかわるなかで培われるものである。その対象は、14(項目番号を示す)「健康の保持増進や疾病予防」を必要とする人、15「急激な健康破綻と回復過程にある人」、16「慢性・不可逆的健康問題を有する人」、17「エンドオブライフにある人とその家族」など、さまざまである。
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