焦点 看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーの活用
①基礎看護学のカリキュラムづくりにおけるコアコンピテンシーの活用:初年次学生が「馴染む」ための取り組み
川西 美佐
1
1日本赤十字広島看護大学
pp.736-742
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201550
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コアコンピテンシー活用のきっかけ
皆さんの学校の学生は、卒業時に「私はこれだけの看護実践能力を身につけたから臨床に出ても大丈夫」と自信をもって巣立っているだろうか?筆者は卒業を目前にした学生たちが「臨床でやっていけるか心配、何ができるかわからない」と不安を口にしているのを聞くにつけ、学生は4年間必死に学修に取り組み、教員もさまざまな教育手法を駆使して教育をしてきたのに、なぜ自信をもって巣立っていけないのだろうかと疑問をもってきた。
2018(平成30)年に日本看護系大学協議会から「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標」1)(以下、コアコンピテンシー)が示された。このコアコンピテンシーを活用して学生が自己の目標設定と到達度評価を行っていけば、学修の各段階で自己の看護実践能力の成長と課題を実感し、看護実践能力を意図的に積み上げて、卒業時に看護実践者として自信をもって巣立っていけるのではないかと考え取り組みを始めた。コアコンピテンシーを活用することで、学生も教員もこれを道標として学修をマネジメントして看護実践能力を積み上げることができ、学生の自信にもつながっていることを実感している。
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