特集 カリキュラム編成のヒント 臨床判断能力を育む取り組み
気づきの一歩を身につける:シミュレーション教育の活用―教務主任養成講習会の成果から②
福元 律子
1
,
伊藤 満美
2
1加治木看護専門学校
2大阪府病院協会看護専門学校
pp.120-128
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201422
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第5次カリキュラム改正に向けた「看護基礎教育検討会報告書」において、「臨床判断能力等に必要な基礎的能力」の強化が示された。これは看護を科学的根拠に基づいて判断し実践するために必要となる能力である1)。現行のカリキュラムにおいては、科学的根拠に基づいた実践に必要な能力は、看護過程を用いて教育している。しかし、多くの場合学生は、対象にとって意味ある情報の収集が困難な状況にあり、看護計画立案までの思考プロセスの記述に追われ、対象の全体をとらえた実践につながっていない現状がある。今後は、療養の場も多様化し、対象の状況に合わせた即興的な判断と実践が求められており、「臨床判断能力等に必要な基礎的能力」とは何か、看護過程との違いなどを理解したうえで教育内容や方法についての検討が必要である。
今回、教務主任養成講習会「看護学教育方法と評価」(以下、講習会)において、カリキュラム改正の主旨を踏まえ「臨床判断を育む学習支援」の検討に取り組んだ。グループワーク(表1)のなかで、臨床判断を育むためには臨床判断プロセスの第一段階である「気づき」がもっとも重要と考え、「気づき」を育むための教育方法および評価について、具体的な内容と今後の課題を検討したので報告する。
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