特別記事
教育実践報告を書こう!―その1 実践報告を書く準備
岩﨑 千晶
1
,
山下 裕紀
2
1関西大学教育推進部
2関西医科大学看護学部
pp.62-67
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201408
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はじめに
これから3回にわたって、教育実践報告の書き方についての連載をいたします。連載を始めるにあたり、自己紹介をしたいと思います。私の専門は教育工学であり、高等教育を対象に授業や学習環境をよりよくするための活動、いわゆるFD(Faculty Development)活動に従事しています。大学では授業設計に関する相談を受けたり、日本教育工学会SIG01「高等教育・FD」、SIG07「インストラクショナルデザイン」が主催する大学教員のためのFD研修会「大学授業デザインの方法―1コマの授業からシラバスまで」の実施に携わったりしています(この研修はお薦めです!)。
また私は、大学でライティングセンターの運営を担っています。ライティングセンターでは、レポート課題や卒業論文に課題をかかえた学生や「文章をよりよくしたい」と考えている学生を対象に、大学院生やPD(Postdoctoral Fellow)であるチューターと相談をしながら、よりよい文章作成をめざす学習支援に取り組んでいます。教育実践における質の向上を支える立場、ならびに書くことをサポートする組織に携わる経験を活かせればと思います。連載を通じて読者の「教育実践報告(以下、実践報告)を書きたい!」という気持ちが高まれば幸いです。
第1回目は、「実践報告の意義を説明できる」「実践報告を執筆するにあたり、アウトラインを作成できる」「授業の背景・授業目的を具体的に書くことができる」ことをめざします。
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