特集 自ら学び、生きる力を育む―ポートフォリオが照らすそれぞれのキャリア
自ら道を切り開く力を身につけるために―日本赤十字秋田看護大学のキャリアデザイン提案集
小野 麻由子
1
,
夏原 和美
2
1日本赤十字秋田看護大学看護学部
2東邦大学看護学部
pp.1000-1007
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201378
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キャリアデザインを取り入れたきっかけとねらい
日本赤十字秋田看護大学(以下、本学)は看護の単科大学です。資格取得というはっきりとした目的をもって入学をしてくる学生が多いものの、なかには在学中に看護職としての適性について悩んだり、座学での順調さが一転、臨地実習での単位取得に苦労したりする学生も一定数います。現状、国家試験さえ受かれば就職は保証されていますが、1年未満で辞めてしまったという話を聞くこともめずらしくはありません。若いうちの試行錯誤は将来の役には立つと思いますが、渦中の本人は挫折だと感じて苦しむ場合もあるでしょう。
学生が在学中に、もう少し将来のことを「具体的に」「主体的に」考える機会があってもよいかもしれないと、大学教育においてのキャリアデザインの必要性を感じていたところ、ちょうどよいタイミングで秋田県企画振興部少子化対策局関係補助金等交付のチャンスをいただきました。この補助金は、大学卒業後、秋田での暮らしや就職、結婚や妊娠・出産、家族との生活など、将来を見通したキャリアを考えるための知識や情報を学生に適切に提供するとともに、個人の意志を尊重した自然な意識の醸成を目指すプログラムに対して交付されるものです。
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