連載 病院めぐり
秋田赤十字病院
平野 秀人
1
1秋田赤十字病院
pp.1078
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903748
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秋田県は日本で6番目に広い県ですが,総人口は約120万人,年間の出生数は約1万人(第39位)です.出生率は8.6(全国平均9.5)と最も低く,過疎化と少子化は誠に深刻な問題です.他県の人は冬季間の灰色の空に気分が滅入るようですが,春から秋にかけての日照時間が日本で最も長いことはほとんど知られていません.極端な日照時間の差が色白できめ細やかな肌の秋田美人の源ともいわれています.秋田市は県のほぼ中央に位置し,人口約32万人の日本海側を代表する都市です.陸の孤島といわれた時代もありましたが,平成9年3月の秋田新幹線“こまち号”の登場以来,にわかに首都圏が近くなりました.
秋田赤十字病院は大正3年に6科75床で開院後,今年で85年目を迎える歴史ある病院です.昭和27年にはわが国初の新生児交換輸血に成功し,周産期医療史に残る偉業を達成しています.平成10年7月に現在地に移転し,約62,000m2の敷地に地上8階建て,19科496床の病院が新築されました.周産期医療センターは平成5年に開設されていましたが,今回の新病院移転にともない救急救命センター,神経病センターとともに秋田県の政策医療の1つとして,NICU 6床,GCU 30床,PICU 20床と規模を大幅に拡張して,名実ともに秋田県の中心的センターとして始動しました.
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