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書評 医療職のための症状聞き方ガイド―“すぐに対応すべき患者”の見極め方
木澤 晃代
1
1日本大学病院
pp.677
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201304
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医師の思考はこうなっていた! 病歴聴取の道案内
私は編著者の前野哲博先生が研修医の頃、一緒に働いており、患者さんの診察にとても情熱をもった先生だなあと思っていました。まだ「チーム医療」といわれていなかった時代に、医師も看護師も関係なく、多職種で患者さんのことを診て(看て)いたことを思い出します。その頃から前野先生の説明はわかりやすく、診察することや教えることを楽しんでいるようにみえました。本書は、そんな前野先生の病歴聴取の技を医療職向けに伝授してもらえる虎の巻です。
1、2章では、これからの医療職に求められる症状アセスメントを概念化し、段階的に読み進められるようになっています。患者のもっているぼんやりした情報をいかに効率的に絞り込んでいくか、コミュニケーションや聞き方の方略、ちょっとしたコツが書かれています。「『グラフを描けるように』情報を集める」「『合わないところはないか』考える」といった独自の切り口で病歴聴取を深めていきます。
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