#総合診療
#書評:—《ジェネラリストBOOKS》—薬の上手な出し方&やめ方
平井 みどり
1
1兵庫県赤十字血液センター
pp.1258
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202843
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この時期(2020年5月)だから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話から入ろう。レムデシビルが認可された、ファビピラビル(アビガン®)も、ノーベル賞受賞のイベルメクチンもと、さながら治療(の可能性がある)薬祭りの様相だ。「薬さえ決まれば大丈夫」と政治家の方々は思っておられるようだが、感染症の専門家の話を聞いているのかしらと疑問に思ってしまう。頭痛にバファリンじゃないけれど、コロナにアビガン®ですっきり〜というわけには参りません。さほどに、一般の方々の「薬」に対するイリュージョンは大きいわけである。
薬の「上手な出し方」は誰しも知りたいところであろうが、「上手なやめ方」について、興味をもち始められたのはごく最近である。処方を見直して、不要な薬を減らそうと提案したところ、「必要だから処方してるんだ! やめろとは何事だ!」と激怒されたことがある。それもつい最近のこと。前医の処方には手をつけない、という不文律(?)も、そういうところから発しているのだろう。
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