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書評「癌患者の症状のコントロール」
佐藤 禮子
1
1千葉大学看護学部
pp.366
発行日 1992年3月25日
Published Date 1992/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106803
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本書は,編者が力説するごとく,まさに現在のわが国の癌臨床実践者たちの苦闘の証として提供された実践の書である.
癌患者は,癌の専門施設に限らず大学病院から小規模医院にまであふれている.患者にとっては,すべての医療者は癌の専門家であってほしいと願っていると言っても過言ではないであろう.癌の病態に対する研究は急速に進み,人々に多くの恩恵をもたらしているが,癌を持つ人に焦点を当てた専門書は数少ない.本書は,「癌患者の症状のコントロール」を表題としているが,つまりは癌患者に特有の症状を治療の対象として,症状がもたらす患者の苦痛を理解し苦痛を取り除くために,全人的観点からの適切な処方の実施についての解説書である.
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