特集 「地域包括ケア」にむけた教育ってなに?
地域で活躍する看護職を育てる教員としてできること―病院、地域で働いた教員の経験から
浅井 直美
1
1東都医療大学 ヒューマンケア学部看護学科
pp.187-193
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201193
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「病院完結型」から「地域完結型」への改革
国は、2013年に社会保障制度改革国民会議報告書1)のなかで、医療・介護分野の改革として、「高齢化の進展により、疾病構造の変化を通じ、必要とされる医療の内容は、「病院完結型」から、地域全体で治し、支える「地域完結型」に変わらざるを得ない」と方針を示している。また、医療と介護の連携と地域包括ケアシステムというネットワークの構築を目指し、「医療から介護へ」「病院・施設から地域・在宅へ」の観点から、医療の見直しと介護の見直しは一体となって行う必要性を示した。
これを受けて、2015年、日本看護協会は、2025年に向けた看護の挑戦「看護の将来ビジョン〜いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護〜」2)を掲げた。看護の価値について、「看護は、対象となる人々を、どのような健康状態であっても、人生を生きる一人の個人として総合的にみる。つまり“疾病”をみる医療の視点だけではなく、生きていく営みである生活の視点を持って“人”をみることにその専門職としての価値をおく」とし、「2025年に向けて看護は、その変わらない価値を踏まえ、医療の提供と生活の質の向上の両機能について、質的にも量的にも拡大していくことに挑戦する」と活動の方向性を示している。さらに、「地域で活動する看護職員数の大幅な拡充に力を入れる。地域で実践を行うことの意味や価値が、看護職に十分理解されるよう、地域における看護活動の具体的な形を提示し、看護職の地域志向を喚起する」と人材育成について言及している。
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