連載 何を伝えよう,どう伝えよう:新カリ時代の具体策2
教員が地域に飛び出すことから始める
古谷 敬子
1
1北海道立釧路高等看護学院
pp.76-77
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900039
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机上の空論とならないために
精神科に入院する患者について,そしてそこでの看護について学生に説明するとき,私は自分に物足りなさを感じていた。
精神障害者に対する偏見やその地域の福祉施策の状況が,病棟のなかの看護にも少なからず影響している。患者1人ひとりに対して具体的に方針を立てるには,看護婦1人ひとりが自分の住む地域にどんな社会資源があってどのように利用できるのかを知っていなければならない。これは実習指導にも言えることで,教員が地域の特徴,社会資源の現状をある程度リアルにつかんでいなければ,学生に「地域とのつながりを考えて」「他の職種との連携を大切に」と言っても,机上の空論になりかねない。
私は,まず自分自身が地域について知ることが最初の課題だと考えている。
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