連載 キネステティク・クラシック・ネオ 動きの言語化のツールが可能にすること・4
キネステティク・クラシック・ネオでの“環境整備”と看護技術教育を変える可能性について
中本 里美
1,2
1(一社)日本キネステティク普及協会
2㈱CARE PROGRESS JAPAN
pp.320-324
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200967
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環境整備としてキネステティク・クラシック・ネオを使う
看護学生が実習に出て,いちばん着手しやすいところは,環境整備です。患者さんのベッド周りをきれいにすることです。ナイチンゲールも『看護覚え書』で環境整備の重要さを説いていました。「看護がなすべきこと,それは自然が患者に働きかけるに最も良い状態に患者を置くことである」1),あるいは,「看護とは,新鮮な空気,陽光,暖かさ,清潔さ,静かさなどを適切に整え,これらを活かして用いること,また食事内容を適切に選択し適切に与えること。こういったことのすべてを,患者の生命力の消耗を最小にするように整えること,を意味すべきである」2)などと述べています。
現在,環境整備としては,積極的なベッド周辺の清掃や,事故防止のための片づけが行われています。しかし,「生命力の消耗を最小にするように整える」までの環境整備にはなかなかたどり着くことができません。なぜなら,その考え方を活かす道具をもっていなかったからです。
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