連載 キネステティク・クラシック・ネオ 動きの言語化のツールが可能にすること・5
地域での生活者のためのキネスティク・クラシック・ネオの可能性
中本 里美
1,2
,
澤口 裕二
3
1(一社)日本キネステティク普及協会
2㈱CARE PROGRESS JAPAN
3北海道士別市立病院 療養診療科
pp.412-418
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200986
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本連載では,キネステティク・クラシック・ネオ(以下,クラシック・ネオ)のツールがもつ可能性について紹介してきました。クラシック・ネオを使った観察とその言語化は,チームで情報を共有することにも役に立ちます。それにより,看護師ら介助者はもちろん被介助者が今よりもっと安全で安楽な方法を探すときに使えます。さらに,学生の介助能力を延ばすことや,セルフケアが不足している患者や家族に対して,その能力向上に必要なサポートを提供することにも役立ちます。特に障がいをもつ当事者には,自分の可能性に気づく道具としても使えることをご紹介しました。その過程で,介助者も患者も,クラシック・ネオを道具として使う機会を重ねていくうちに,それぞれの能力が伸びていくことがわかりました。
介助者の能力の向上は,患者や介助が必要な家族にとって成長を促す環境になることは,第4回(59巻4号)でお伝えしました。しかし,そのような望ましい変化が起きるためには,なんらかのきっかけが必要です。そこで,沖縄の北部地域にそのきっかけをつくった「ゆんたくケア研究会」代表の大城凌子先生の活動を紹介したいと思います。
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