特集 私たちのストレスケア
職業的アイデンティティと職業性ストレス─看護教員のメンタルヘルス対策に向けて
福永 ひとみ
1
1川崎市立看護短期大学
pp.170-175
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200932
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筆者は現在,看護短期大学で精神看護学領域の専任教員をしている。看護教員養成課程で講習修了後,初めての看護教員経験は3年課程の公立看護専門学校であった。当時,担任学生への指導,授業案の作成と授業,実習指導,実習施設の指導者との調整と毎日が緊張の連続で,就寝中,歯を食いしばっていたことによる顎関節痛や,両手指の痺れで中途覚醒することがたびたびあった。それでも,筆者が教員を継続できた要因には,教育が好きだからと自己研鑽したことはもちろんだが,職場環境に恵まれたことが大きかったと思う。先輩教員から指導ノートを見せていただいたことや,教育活動の計画・実施・振り返りの会議などの場面をとおして,機会教育や情動的支援があったからだ。
筆者は,所属する短期大学では後輩の教員を指導・支援する立場にある。後輩教員のなかには,メンタルヘルスの不調が理由で離職した人もいた。その教員らとのかかわりをとおして,「看護師が看護教員になるとはどういうことなのか」「看護教員のストレスにはどんな特徴があり,どんなメンタルヘルス対策が有効なのか」について検討の必要性を強く感じ,「看護教員の職業的アイデンティティと職業性ストレス」に関する研究に取り組んでいる。本稿ではその一端を紹介する。
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