連載 「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応 臨地実習における教育上の調整を考える・10
軽度の聴覚障害のある学生への対応
飯岡 由紀子
1
1埼玉県立大学大学院研究科/研究開発センター
pp.872-878
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200852
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保健師助産師看護師法の絶対的欠格事由の廃止により,聴覚障害をもつ学生を実習指導で担当する機会が増えるかもしれません。実習指導者の立場になったら,どのような支援をすればよいのか悩むことでしょう。「教職員のための障害学生修学支援ガイド」には聴覚障害学生の学外実習に関する記述はありますが,総論的な内容に留まり,臨床の場に適応できるまでではありません1)。また,聴覚障害学生支援の書籍には,大学の体制整備に関して詳細に記されていますが,実習支援に関する記述はありませんでした2)。つまり,学生自身も教員もお互いに手探りで始めるしかないのが実情と思われます。どのような支援をしたら学習が促進するのか,ともに考える題材として,今回は軽度の感音性難聴の学生を取り上げました。
これまでの連載で紹介してきた内容と少し異にすることとしては,実習前にある程度の調整が可能であり,障害について周囲に理解してもらいやすいことなどがあります。実習前,実習中,実習後と,経過に応じ対応について紹介します。架空の事例(学生Dさん)と実習担当教員Eとの場面を提示し,教育上の調整について考えてみたいと思います。
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