連載 「発達障害」児のために,私たちができること・1【新連載】
軽度発達障害をめぐる問いかけ
足立 佳美
1
1近畿福祉大学
pp.336-340
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100128
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「障害」があると診断されること,「障害」があると診断されたことを知ることは,どれほど重たいことだろうか。それが,たとえ,目に見えても見えなくても。
他者という鏡1)に映る自己を認識しはじめた子どもたちに,自分に向けられた「障害」ということばは,ときに過酷に映る。医療機関で自分が注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されていたことを知って,希望を失ってしまった9歳のW君。「僕は普通の子と違うってことや」,そう泣きじゃくったという。そして,2001年6月24日,自らの命を絶ち,私たちが生きるこの世から去った。「ぼくは自分が恐ろしいのです」。両親へのメッセージがW君のズボンのポケットに残されていた2)。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.