連載 「配慮が必要な学生」の学びにつなげる対応 臨地実習における教育上の調整を考える・11
痛みや行動制限がある学生への対応
飯岡 由紀子
1
,
中島 英博
2
1埼玉県立大学大学院研究科/研究開発センター
2名古屋大学高等教育研究センター
pp.965-971
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200873
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はじめに
今回は,身体障害のある学生の実習指導について取り上げることとしました。骨折のように一時的に修学に支障がある場合もありますが,ここでは合理的配慮の対象としても考えられる事例を検討したいと思います。痛みは表現しやすい症状の1つでもありますが,我慢してしまうとわかりにくいものです。学生がその症状に向き合おうとしなければ,安全性の確保も実習の学びも得られにくくなります。このような特徴をふまえ,事例の展開をとおして考えたいと思います。
今回は,先天性股関節脱臼の既往があり,痛みや行動制限のある学生を取り上げました。前回の聴覚障害の学生のときと同様に,臨地実習前にある程度の調整が可能な事例であり,看護技術によっては実施できないものも生じます。架空の事例(学生Pと実習担当教員Z)の場面を提示し,教育上の調整について考えてみたいと思います。
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