増大号第2特集 言葉の力
【インタビュー】医療の言葉への危惧と応援─外山滋比古先生に聞く
外山 滋比古
pp.634-639
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200804
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患者のほうに向いた言葉を
医師に残るエリート意識
─外山先生は,『思考の整理学』をはじめ,ことばに関する多くの著作を出版されていますが,昨今の医療の言葉について,どのようにお考えですか?
外山 これから,医療者と一般の人の関係が密接になればなるほど,一般向けに話す力が求められていくのは自明の理ですが,そもそも,大部分の医師が言葉を知りません。専門分野の勉強は一生懸命しても,言葉については,私から見ると不十分です。昔からの悪い癖で,威張って,患者をまるで自分の家来のように命令形でね。第一人称を使って命令する。
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