焦点 第106回看護師国家試験を振り返って
第106回看護師国家試験に求められた力と今後の対策
茂野 香おる
1
1淑徳大学看護栄養学部看護学科
pp.535-539
発行日 2017年7月25日
Published Date 2017/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200782
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臨床状況に対応できる能力が問われる
難しかった……試験後に起きた受験生の反応
試験終了直後,多くの受験生が「何ですか?あの難しさは」「問題文長すぎ!」「読むのが大変だった」「どうしよう……」「たぶん,落ちた」などネガティブな言葉を発するのを耳にした。筆者が所属する大学では,国家試験終了から卒業までの束の間の時間を安心して過ごしてもらおうと,国家試験の翌日に一斉に答え合わせを行っているが,その際に多くの悲鳴を聞いた。Net上でも,twitterなどで「涙しか出てこない」「悲鳴」「(何もかも)終わった……」などの投稿が目立ち,「過去最高の難易度」とのつぶやきもあった。
いったい,今回の国家試験ではこれまでと何が変わったのだろうか?何が「難しかった」と感じさせたのだろう。「過去問では太刀打ちできない」「一般的な問題を出してほしかった」との訴えが示しているように,問題傾向の変化に大きな反響があったのは事実のようだが,難しいと感じる要因は何なのだろう。筆者は国家試験問題の分析と受験対策を専門としているわけではないため,専門的な分析は他に譲るが,本稿では教育の現場で学生の教育に携わる者として,学生の目線で「難しさ」の要因について考えていきたい。
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