憧鉄雑感
第106回 教授の質問
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.131-131
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002366
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その大学教授の質問には少しばかり違和感を覚えた。皮膚科専門医として三流を自負する筆者であるが,時に他科領域の先生方向けに講演を行う。誰が見ても権威を絵に描いた内科教授。質疑応答時間に挙手すればいいものの,あろうことか講演終了後筆者の下へゆっくりと近づいてきた。その威圧感たるや,まるで反社会的勢力のドンの如きである。何やら気に障る話でもしてしまったか。事実,前演者に対しては威風堂々マイクを用い,演者を自らの得意分野へ至妙に拉致し,満座の前でコテンパにしていたのである。まさに万事休す。火災報知器でも誤作動せぬものか。“先生に恥を忍んでお伺いしたい”何であろう。さては股部白癬でもあるのか? しかし,前演者も皮膚科専門医であり明らかにおかしい。“軟膏とクリームってどう違うんでしょう?”
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