連載 アジア,アフリカ,ラテンアメリカの看護教育はいま・14【最終回】
国際的な政策と現場のギャップを埋めるために─タンザニアでの大学院生とのディスカッションを通して考える
新福 洋子
1
1聖路加国際大学 ウィメンズ・助産学研究室
pp.394-398
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200505
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持続可能な開発目標と看護教育
2015年は8つのミレニアム開発目標(Millennium Development Goals, MDGs)の評価年であり,9月に「持続可能な開発サミット」で,国連加盟国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択されました1)。持続可能な開発,民主的なガバナンスと平和構築,気候変動と災害に対する強靭性などを含む17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals;SDGs)へ,次の評価年である2030年までの新しいフェーズを迎えました。
健康に対する目標は,目標3「あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し,福祉を推進する」にまとめられました。目標3には,さらに具体的な13のターゲットがあります。母子保健,感染症が主体だったMDGsから,SDGsになり,すべての年代の人に対象が広がりました。母子保健は目標の達成はかなわず,MDGsで目指していた妊産婦死亡率の75%減少に対し,達成率は50%でした。これでも減ってきていることに一定の評価を与え,SDGsでは,すべての国で妊産婦死亡率を出産10万対70にするなど,さらに高度な達成目標に引き上げられています。
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