連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・15【最終回】
災害看護に必要なパブリックヘルス
國井 修
1
1前長崎大学熱帯医学研究所
pp.368-375
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200205
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
世界ではさまざまな大規模災害,緊急事態が発生している。筆者はこれまでNGOや国連などを通じて途上国の災害支援に携わってきたが,現場で感じたのは,一介の医師として助けることのできる命,守ることのできる健康には限りがある,ということである。
特に,紛争や内戦などで大量の難民・避難民が発生した場合,食料,水・衛生などの支援が遅れることで,死亡率は時に数十倍にはね上がり,治療しても現場の患者は増える一方という状況に直面した。日本では状況は異なるが,災害時のパブリックヘルス面での課題は多い。
本稿では,災害看護にあたる看護職の方々が現場で知っておくべきパブリックヘルスの課題・対応について説明したい。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.