特集 卒直前の事故防止演習
看護基礎教育における事故防止教育の検討—チューブ・ドレーン管理の問題点対応についての講義
萱嶋 美子
1
1神奈川県立病院付属看護専門学校成人看護学
pp.175-180
発行日 2004年3月25日
Published Date 2004/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200170
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はじめに
看護基礎教育で押さえる基本技術の内容と臨床で行う技術の格差が問われ続けてきた中,医療事故の報道が相次ぎ,臨床および基礎教育における事故防止教育の検討が急務となっている.
今回,川村らの「卒業前の事故防止教育検討会」のメンバーとして参加する中で,看護基礎教育で看護の原則・基本だけを押さえてそれから先の応用は現場の卒後教育で行う,ということでは,新人看護師の事故防止の知識・意識ともに不十分であることが認識できた.事故防止教育は看護を学び始めた段階から,講義・演習で学んでいかなければならない.学生が技術演習を行う際には,常に安全への配慮・事故を防止する視点の学習が伴っていなければならないと実感した.
それを受けて,本校では平成14年度から卒業直前の学生に対して,看護基礎教育で事故防止の意識を高めることをねらいとして,どの臨床領域でも一般的に使用される,しかも管理がしっかり行われないと生命に関ってくるドレーン・チューブ類の取り扱いで,起こり得るトラブルとその対応について講義を行っている.平成15年度に行った講義の概要と授業アンケートの結果を提示し,報告する.
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