特集 医療安全教育─カリキュラム改正をにらんで
卒前教育としての安全管理教育―「専門職としての準備」と「事故防止・安全管理に取り組む組織の一員としての準備」
鮎澤 純子
1
1九州大学大学院医学研究院
pp.792-799
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100765
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筆者が安全管理やリスクマネジメントに関する教育に携わるようになったのは,民間企業のリスクマネジメント室に勤務しているとき,院内研修の講師,学会や職能団体主催の研修の講師に招かれるようになってからである。医療界がこれらの課題に取り組んだ早い段階から多くの機会をいただき,ヒヤリハット事例の収集の意味や分析の視点,再発防止策の策定の考え方,安全管理の基本,事故発生時の対応などを講義してきた。
そのときから心のなかで呟き続けていたことがある。「基礎的なことは現場に出てくる前から知っておいてほしい……」。当時の講義用のレジュメには,「今後の課題」として,くり返し「卒前教育における安全管理教育の実施」「多職種に共通した教育プログラムの検討」「体系的な教育プログラムの検討」などを挙げていた。
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