特集 学生とともに学ぶ医療事故防止
医療事故防止教育への取り組み
杉谷 藤子
1
1島根県立看護短期大学
pp.762-763
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902588
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看護学生に「医療事故防止」を教授するためにまず必要なことは,教員自身の意識改革ではなかろうか.最近までは,医療事故防止教育の重要性はあまり意識されていなかったと言えよう.一部の教員は,学生に恐怖心を与え,看護婦志向にマイナスになると主張した.確かに躊躇するのも理解できるが,学生が恐怖心を抱かず,それを乗り越えて受け止められる教授法への努力がなされたのであろうか.また時間が組めない,教授する自信がない(民法,刑法の知識がない,判例の情報がない)などが理由とされているようだ.
筆者自身,看護学校の教員(1954~1965),看護短大教授および非常勤講師(1995~2000)の教員経験中,最初は「安全」の教育にとどまっていたと思う.’95年からは,看護管理の中で取り組んだ.また看護短大在任中に著した『「看護事故防止」の手引き,』1)の中で,“看護学生の臨地実習における事故とその対応”として,学生の事故防止対策,学生が業務として行える範囲,事故発生時の学生,教員,学校の法的責任および筆者が教材として褥瘡裁判を用いた状況を述べた.さらに本誌「今求められる学生への医療事故防止教育」2)の中で,学生の事故事例と注意義務,安全および事故防止をどう教えるか,臨地実習における事故防止策などについて記述した.
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