特集 基礎と臨床がともに学ぶ場をつくる─自治体が協力するケースを中心に
─【東京都の試み】─都立看護専門学校が運営する学校,臨床共同のワークショップ
内糸 ちえ子
1
1東京都立広尾看護専門学校
pp.1024-1030
発行日 2014年11月25日
Published Date 2014/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200029
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ワークショップの誕生─臨床と看護基礎教育の連携
都立看護専門学校運営のワークショップは,「教育と臨床の現場が看護に関わる情報を共有し,相互の理解と連携を深め,さらなる人材育成の充実を図る」ことを目的として開催している。2006(平成18)年度に第1回が開催され,2013(平成25)年度までに8回を重ね,そのプログラムは,午前の基調講演,午後のグループワークで構成されている。参加者は,看護教員,実習病院の臨床実習指導者を始めとする看護職で,例年200名を超えている。
このワークショップの土台となったのは,2001(平成13)年度に都立施設看護管理者連絡会議主催で行われた「都立看護系施設におけるワークショップ」である。この連絡会議は,1998(平成10)年度から都立施設における看護職員の質向上を図ることを目的として設置されたものであった。都立看護系施設として,都立保健科学大学(当時),都立看護専門学校,都立病院,都保健所,行政から看護管理者が集まり連携を深めるなかで,初期のワークショップは生まれた。このワークショップは,質の高い看護職の育成,臨床と教育の連携などをテーマとして4年間開催され,都立四大学改革により都立保健科学大学が首都大学東京に統合されるなどの流れのなかで,当初の目的は果たしたとして連絡会議の解消と共に2004(平成16)年度をもって終了した。この4年間,大学,看護専門学校,臨床,地域が共に「看護職の育成」を考える機会をもったことは,それぞれの立場で刺激を受け学び合う経験であった。
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