特集 学生から看護師へのホップ!ステップ!を支える教育―国試対策から,学ぶ習慣のつけ方まで
誠実を胸に刻むこと,ともに未来を語ること―合格率100%の背景にあるもの
大日向 輝美
1
1札幌医科大学保健医療学部
pp.484-492
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102719
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はじめに
はじめに札幌医科大学(以下,本学)の取り組みについて申し上げておきますと,島田先生の稿にありました「好ましくない事態の発生を抑えるために戦略的に対処する」という意味合いでの国家試験対策はまったくしていません。合格の秘訣を問われましても,あえて強調するところはないと申し上げるしかないと思っています。しかしながら,あえて国家試験と日々の教育学習活動との関連で秘訣を挙げるとすれば,「将来の看護職として,またそれ以前に人間のあり方として物事に向き合う姿勢を育むこと」にあるのではないかと私は思っております。
本学の看護師国家試験の合格率は,2014年の合格をもって11年連続100%ということになりました。「先生の大学はもともと偏差値が高いからですよね」だとか,「100%を達成しているのだから国試対策なんて考えたことないですよね」ということをお話しいただくことがあるのですが,本学のレベル程度の大学であっても大方の大学は国家試験対策はしているというのが,日本の状況だと思っています。また,このレベルの大学であったとしても,100%を連続で何年間も達成できているということは実はそうあるわけではないのだということを,まずご承知いただきたいと思います。
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