特集 「おかしいな」と思ったときの学生指導
実習中に表情がかたくなり急に泣き出した
山田 百合子
1
,
大澤 広美
1
1独立行政法人国立病院機構災害医療センター附属昭和の森看護学校
pp.292-293
発行日 2014年4月25日
Published Date 2014/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102671
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事例 実習中に自己の体験がフラッシュバックした学生
普段からまじめで穏やかなAさん(20代)。3年生の領域別実習が開始となり,患者と積極的に関わり,まじめに実習に取り組んでいた。成人看護学実習II(急性期)救命病棟の見学実習中,「人工呼吸器装着患者の安全を守る大切さを学ぶ」「救急で入院された患者のつらさや不安な思いを知る」という目的で,人工呼吸器装着体験,抑制体験を実施していたときのことである。Aさんは「体験してみたい」と進んで手を挙げた。そこで,Aさんの両手をベッド上で抑制し,人工呼吸器を仮装着する体験を行った。その後,他の学生が実施していたとき,Aさんの表情がかたいことに気づき声をかけると,Aさんは突然泣き出した。そのため,控室で休憩させることにしたが,顔色も悪くなってきたため学校へ戻り,この日の実習を中止した。その後2日間は体調不良のため実習を欠席した。後日,面接の機会を設けて話を聞くと,入院していた経験があること,その際,抑制された体験があったことの情報を得た。
*個人と場所が特定されないようにフィクションとして再構成しています。
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