世界の波
金がかたきの総選挙
末松 満
1
1朝日新聞
pp.46-47
発行日 1953年5月10日
Published Date 1953/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200516
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選挙に金は付きもの--盆と正月が一しよに来たような,衆参両議院矢つぎ早やの選挙とあつてみれば,金の使われ方も一だんと物凄いであろう.
かねて予期されていた参議院の選挙のために,国費16億7,083万円が使用される筈だつたところへ,降つて湧いたような衆議院の解散で,新たに12億1,866万円.これは選挙公報を印刷したり,アルバイト選挙要員をかき集めたり,選挙の椽の下を固める金だが,選挙人名簿作成に要する市町村負担の費用約4億円を合わせると,ざつと33億円になる.すべてこれ税金で賄われるのだから,この1ヵ月間の選挙さわぎに,8,600万の国民は赤坊子供を押しなべて,1人当り約40円をしぼられる勘定である.選挙は全く他人ごとではない.
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