実践報告
夜間の緊急時対応および医療チームの連携のイメージ化を図るための視聴覚教材の制作と効果
金子 眞由美
1
,
西川 真由
1
,
三島 真由美
1
,
高濱 賢一
2
1独立行政法人国立病院機構呉医療センター病院附属呉看護学校
2独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療技術研修センター
pp.146-151
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102628
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はじめに
看護基礎教育の期間の学生の体験には限界があり,特に,緊急時や急変時の状況に遭遇することは少ない。このような場面の経験がなく,新人の時期に,はじめて緊急の場面を体験した場合,恐怖感や不安感・無力感などを体験することは,その後の勤務への影響や離職につながる可能性が考えられる。
看護師等養成所の運営に関する手引きに示された「別表3─2看護師教育の技術項目と卒業時の到達度」には,緊急なことが生じた場合のチームメンバーへの応援要請と患者の意識状態の確認は単独で実施と,指導の下で実施,モデル人形での気道確保,人工呼吸,閉鎖式新マッサージおよびAEDの使用は学内演習,意識レベルの把握方法と止血法の原理は知識としてわかる,となっている。これらは一つずつの知識や技術として学習しているため,緊急なことが生じた場合に,どのような人々が関わりどのように動くのか,全体の状況や流れを知り,自分が新人看護師としてどのような動きをすればいいのかをイメージできることが看護基礎教育で必要ではないかと考えた。
そこで,新人看護師としてどのような行動をとればいいのか,イメージ化できるようなVTR教材を制作することとした。
本稿では,教材の具体的なシナリオと,学生の学びについて報告する。
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