連載 心一文字・2
『顔』
園家 文苑
,
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.91
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102617
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「顔」は,構造的には目,鼻,口,耳,皮膚から成り,外界と情報交換に働くし,筋肉によって喜怒哀楽などのさまざまな表情を作り出す。一方で「顔」という言葉は,朝の「顔」とか会社の「顔」など,あるものの代表または象徴としても使われる。
ふと,学生が教員の「顔」を思い浮かべるとき,誰のどんなのを思い浮かべるのだろうと思った。かくいう私には,気持ちが落ち込んだときに思い浮かべる先生の「顔」がある。もう亡くなられた某大学の学長だ。頬が少しふっくらしていつも笑顔で,さながら恵比寿様のようだった。もちろん顔の表情だけではなく,いつも1人ひとりの学生を気にかけて声をかけてくださったから,心に残っているのだろう。その先生の顔を思い浮かべると安心する私も,そんな教員の「顔」をもちたいと常日頃思う。
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