特別記事
ICTがもたらした教育方法の看護教育への応用―公衆衛生看護学からの提言
中谷 久恵
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院地域・在宅看護開発学
pp.140-145
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102627
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はじめに
情報通信技術(Information and communication technology:以下,ICT)の急激な進展は,教育に革命的な変化をもたらした。ICTの概念は幅広く,インターネットや無線LANに代表される通信技術から活用する機器に至るまで,用語が網羅する範囲は広がってきている。ICTの機能を活かしたeラーニングは,教育工学の分野から発展し,学校教育や企業内教育を中心にグローバルな速さで進化し続けている。研究動向を概観1)すると,2000~2008年には286文献から689テーマが得られており,研究内容は「システム・教材」と「教育方法」の2つの文脈に大別されている。近年においては,可動式の携帯用コンピュータ端末機器(以下,モバイル端末)や携帯電話の小型化・多機能化の技術革新により,高等教育を対象にモバイル学習の意味を明らかにしようとする研究も増加している2)。わが国の看護教育におけるeラーニングは,教育の補助教材や新卒看護職員や復職看護職員の臨床との乖離を埋めるツール3)として,2000年代から急速に導入が進んできた。
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