特集 これからの公衆衛生看護教育を考える
公衆衛生看護学と教育
平山 朝子
1
,
佐藤 由美
1
HIRAYAMA・Asako
1
,
SATO・Yumi
1
1千葉大学看護学部地域看護学講座
pp.81-86
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900514
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■はじめに
本稿は,公衆衛生看護学の学術的基盤を検討することを目的としている.まず,確認したいのは,看護学が極めて実践性・応用性に富んだものということである.それは,この分野が当初から研究を進めつつ発展してきたのではなく,看護実践の仕事が,人々を助けるために役立ってきて,それに後から理論的体系を与えるという形で,発展してきているという特徴を持っているからである.それ故に,看護実践への指導性を持つことがまずは問われるところから出発している.したがって,看護学の1つの専門領域である公衆衛生看護学は,保健婦の実践活動を理論的に体系づけ,日常の実践活動に看護専門職としての指導性を与えることができる理論的な枠組みと,それを発展させていく考え方が最も重要となる.
わが国の公衆衛生看護学の教育は,現在のところ都道府県の養成機関に大きく依存していて,短期大学の専攻科は出来てはいるが,10校にとどまっている.しかし,一方で看護学の4年制課程が増設されてきているので,この時期に学問的基盤を見直すという形で公衆衛生看護学の内容を教育問題との関連において確認するのは意義深い.
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