特集 公衆衛生への提言
教育・研究
実践的公衆衛生教育への提言
大平 昌彦
1
1岡山大学医学部衛生学教室
pp.538-539
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205239
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現場実習をもたなかった公衆衛生教育
医学は本質において実践的である.はじめに患者の要求があって治療が求められ,治療の専門職としての医師には,科学的基盤としての治療医学を身につけることが要求され,学問としての医学は,その進歩を実践に演繹させなければならない.この論理は,公衆衛生学領域においてもまったく同様である.
このように医学が実践を主体とするものであるならば,教育も当然実践なくしては画餅である.したがって,治療医学の教育のためには病院実習がある.附属病院を持ち,外来において,あるいはベッド・サイドにおいて学生は生きた医療活動を経験しつつ医学を学ぶ.教科書や講義だけで観念的には医学を学べるわけがないからである.
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