連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・54
テクノロジーで国境を超えるメンタルヘルスサービス
原田 奈穂子
1
1ボストンカレッジ看護学研究科博士課程
pp.974-975
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102543
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●【新しい教育技法】「学際的教育で生きる営みをよりよいものに:コミュニティ,イノベーション,健康,テクノロジーを活かすパートナーシップ」から
皆さんは,日本語が少数民族言語であり,日本国外にいるときに,災害やテロリズム,事故という緊急事態に際して,社会的サービスを十分に受けにくい社会的弱者になることをご存知でしょうか? JEN52-7ではmultidisciplinary approachがキーワードに含まれる論文がいくつか掲載されています。今回は海外在留邦人のメンタルヘルスを守るための学際的な試みについて,McLeenが活用したコミュニティ,イノベーション,健康,テクノロジーという視点を絡めながら報告したいと思います。
現在,海外在留邦人は120万人,海外旅行者は年間1700万人と報告されています。交通技術の発達で以前は考えられなかったような国や地域に長期滞在,旅行することが可能になりました。私は,米国という国間移動が容易で,かつ英語という世界的に汎用されている言語が母国語の国に住んでいます。それでも緊急事態の際は,米国の人たちより,大きなストレスにさらされるといわれています。3月のボストンマラソン爆破事件後,容疑者が逮捕されるまでの間ボストンの広範囲の地域で外出を控えるよう勧告が出されました。もし皆さんが,ボストンにレッドソックスの試合を観に来ていて大きな事件に巻き込まれたとしたら,どれだけ自分に必要な情報をより多く正確に集め,身を守るために適切な行動を取れると思いますか?
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