特集 「狙い」に合わせたシミュレーション教育の方法
IDに基づいたシミュレーション教育の取り組み
増山 純二
1
1日本赤十字九州国際看護大学
pp.374-381
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102385
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はじめに
近年,卒後教育の一環としてシミュレーション教育が注目されている。その理由として,以前は臨床の現場で患者を相手にOJT(on the job training)が可能であったが,医療安全,倫理的問題の観点から現場での教育が困難になってきたことがあげられる。そのような状況のなか,高機能シミュレータが開発され,シミュレーション教育が定着してきたといえる。
シミュレーション教育は医療安全の観点だけではなく,教育効果としても関心が高まっており,卒前教育においても注目されている。しかし,ほとんどの指導者は明確な学習方法を熟知しないまま学習を進めているのが現状である。シミュレーション教育の指導方法を尋ねられることが多くなってきたが,シミュレーションとは学習手段であることを忘れてはいけない。学習目標,評価方法を決定する前に,学習手段が決定していることに違和感を覚える。そこで,今回テーマとしてあげているID(instructional design)のシステム的アプローチについて解説し,本学で看護師を対象に行った急変時対応コースと本学の救急看護認定看護師教育課程で行っているシミュレーション教育について紹介する。シミュレーション教育に関わる教授設計について理解していただくとともに,看護学生のシミュレーション教育に役立ててほしいと考える。
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