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「パフォーマンス評価」演習における学習支援
石川倫子 東京医療保健大学東が丘看護学部看護学科准教授
教育評価とは,教師の支援と学習者の学習活動の改善を目指す行為である。
パフォーマンス評価は,知識・技術を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力を評価する有効な方法である。教員にとっては思考力・判断力・表現力を育む授業を高める有効な評価でもある。
本演習では,パフォーマンス評価に関する知識を習得する講義を行い,その知識をより理解し活用できるために,実際にパフォーマンス評価を作成した。この作成にあたって,研修生が(1)~(3)を考えられるように支援をした。
(1)パフォーマンス課題でどのような能力を育むのか,その具体的学習内容は何かを明確にする。特にどのような知識・技術をどのように活用するかを考える。
(2)パフォーマンス課題を実際に解決する学習者の思考活動を幾通りも考える。
(3)学生の活動を想起しながら評価規準,評価基準を作成する。特に学生の修得状況を見極め,質の転換点を設定する。
演習終了後,研修生は思考・判断の教育内容を抽出する困難さを感じると同時に,教材研究の重要性を再認識していた。また学習者の思考過程を重視した評価の重要性,「質」の評価により,個々の学生の学習段階に応じた支援ができる等の学びを得ていた。
本稿ではこの演習を受講した研修生から,作成したパフォーマンス課題とルーブリックの考え方,パフォーマンス評価を創ったうえでの学びを紹介してもらう。
短時間の演習で葛藤しながらも「わかる」「創る」楽しさをともに味わう演習であった。一読していただければ幸いである。
はじめに
専任教員養成講習会では,パフォーマンス評価の考え方と有効性について,「教育評価」の講義で幾度か学習をし,パフォーマンス評価に関する知識を習得できたつもりになっていた。しかし「看護学教育評価演習」のパフォーマンス評価演習で,これまでの知識が定着していなかったこと,さらに知識の深化とはどういうことか体験を通して知ることができた。
そこで実際に演習で考案した基礎看護学実習前の校内実習での「活動の援助方法」に関するパフォーマンス評価を紹介する。
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