特別記事
平成23年保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正に伴う看護系大学における新カリキュラムの概要―教育課程の変更承認申請の内容から
石橋 みゆき
1
,
辻 邦章
1
,
西尾 和幸
1
1文部科学省高等教育局医学教育課
pp.398-403
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102078
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はじめに
2012(平成24)年4月,わが国の看護系大学(文部科学大臣が認可した大学で,かつ複数の学部をもつ大学は1校と数えた場合)は新設9校が加わり203校となる。そのうち,修士課程を置く大学院のある大学は140校,博士課程を置く大学院は69校71課程に達する。また,2011(平成23)年2月に実施された看護師国家試験では,合格者のうち大卒者が占める割合は24.8%に達し,その割合は年々微増している状況である。さらに,保健師国家試験合格者にあっては94.0%,助産師国家試験合格者では48.3%を大卒者が占めている。このように看護系大学はわが国の看護職の養成機関として今後ますます重要な役割を担う状況にある。
このようななか,2011年1月に保健師助産師看護師養成所指定規則(以下,指定規則)が改正され,看護系大学は2012年度入学生から適用される新たなカリキュラム編成に取り組んだ。筆者は2011年4月に現職に着任し,大学の教務主任者等と直接面談しカリキュラム編成の相談に応じる機会を得た。200を超える教育課程は想像以上に多様,多彩であり,大学によっては制限された環境においてもより豊富な教育内容を教授するための工夫・努力を重ねている状況が多くみられた。そこで,新カリキュラムの変更承認が一段落した現時点(2012年2月末)で,その概要と各大学の創意工夫の内容を教育関係者の皆様に提示することが,今後看護系人材養成において各大学が担う役割を再認識する一助となると考え,本稿を寄稿させていただいた。
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