連載 看護の高等教育化と今後の課題・4
平成20年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正とそれを取り巻く状況
和住 淑子
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1千葉大学大学院看護学研究科附属看護実践研究指導センター政策・教育開発研究部
pp.592-597
発行日 2010年7月25日
Published Date 2010/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101506
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平成20年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正の背景
平成20(2008)年1月8日に「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」(以下指定規則とする)が改正1)され,同年4月1日より施行された。筆者は,平成17(2005)年4月1日より平成20年3月31日まで文部科学省高等教育局医学教育課第4代看護教育専門官として在職し,この指定規則改正業務に携わった。
当時,新人看護師の離職率が高いことが社会問題となっており,卒後,臨床現場で求められる業務に即した十分な教育が行われていないのではないか,といった主旨の国会質問も出されていた。看護職の職能団体である日本看護協会は,新人看護師の離職率が高い原因は教育年限の不足にあるとして,看護師の教育年限を現行の高卒3年から4年へ延長すべきである,と主張しており,文部科学省にも度々陳情があった。これがいわゆる,看護師基礎教育の「4年制化」議論である。
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