保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則の改正と助産婦教育

　保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則（昭和26年8月10日，文部省，厚生省令第1号）の第5次改正が11月30日公布された．今回の改正の主なものは，1．学校養成所の指定基準の改正，2．指定申請，定期報告等に関する事項，手続の徴収についての規定の改正，3.3年課程看護婦学校養成所の学科課程の改正の3つがあげられる．

　助産婦教育を考えるうえに，その基礎になる看護婦教育の内容が大きく影響してくるが，今回の改正では，看護婦教育のなかに保健衛生の面を積極的にとり入れるとともに，小児看護，母性看護の特殊性を強調し，これらのものに対する理解を深め，幅の広い視野にたって教育が展開されてゆくであろうことが期待される．この意味においてはさらに看護教育終了後の人たちに行なわれる助産婦教育が，より専門化し，内容を深めてゆく必要が生じてくる．しかし，現在あるすべての看護婦学校養成所において改正の主旨をよく理解し，その線にそって教育が行なわれ，その成果をあげるまでにはなお相当の年月を要するものと思われるが，看護教育を担当する教師のなかに助産婦も含まれると思われるので母子保健の基礎的知識が十分に看護学生の段階で理解されるであろうことは考えられる．