特集 地域看護学と公衆衛生看護学 Part1 看護学生が学ぶ地域看護学再考
看護専門学校で教える地域看護学としての在宅看護論
熊野 こう
1
1愛知県立総合看護専門学校
pp.384-389
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102075
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はじめに
「在宅看護論」は,2009年のカリキュラム改正で,「看護の統合と実践」に位置づけられた。厚生労働省が2011年3月に提示した「看護教育の内容と方法に関する検討会報告書」のなかでは,「在宅看護論」は,地域の多様な場での療養生活に対応した教育内容を展開できるように,基礎的な看護技術を身につけ,他職種と協働するなかで看護の役割を理解する内容が必要とされ,教育内容の充実が求められている。
本校は,3年課程全日制の看護専門学校で,1学年定員120名(1クラス40名で3クラス),学生総数360名の学校である。本校では,1997年のカリキュラム改正に伴い,「在宅看護論」を新設した。「施設」中心であった看護から意識を転換し,地域で生活しながら療養する人,あるいは障害をもちながら生活する人々とその家族を理解して,「在宅」での看護を身につける必要性があると考えたからである。すなわち,本校では,今回のカリキュラムで『地域看護』を取り上げ,その内容を絞り込んだ結果,科目名を「在宅看護論」としているのである。
本稿では,本校における『地域看護学』としての「在宅看護論」の教育内容と展開方法の現状を紹介する。
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