連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・35
多様性を追求する目を養うTeam-Based Learning(TBL)
杉本 敬子
1
1イリノイ大学シカゴ校大学院看護学博士課程
pp.252-253
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102037
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●【主な論文】「Team-Based Learning(TBL):系統的文献レビュー」より
JNE12月号に掲載されているTeam-Based Learning(TBL)の文献レビューをご紹介します。この文献レビューでは,厳選された17文献の結果が報告されています。これらの文献の研究対象として最も多いのは,医学生を対象とした10文献で,その他,看護学生(学士課程)を対象とした2文献,精神科研修医,内科医,医療生理学の学生,産業/組織心理学の学生,経済学の学生が,1文献ずつであったと述べられています。レビューの結果として,TBLは,従来の講義方法に比べ,主に,生徒の満足度,生徒の取り組み,試験点数の3点において効果があると報告されています。
そもそもTBLはどんな学習法なのでしょうか。著者は,TBLの特徴について,従来のグループ学習やProblem-Based Learning(PBL)との相違点として以下の4点を述べています。(1)異質のメンバーでチームを構成すること,(2)生徒の責任を強調すること,(3)現実世界の問題を解決することに焦点をあてた有意義なチーム課題を提供すること,(4)生徒にフィードバックを提供すること。TBLでは,5人から7人と少人数でチームを構成し,特定のグループができるのを避けるためと,多様なチームのなかで働くことを学ばせるために,メンバーは無作為に割り振られます。また,チームワークが機能するには時間を要するため,学期中は同じチームメンバーを保持するのだそうです。
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