特集 私はこうして学生と向き合ってきた─日々出会うさまざまな悩み
臨地実習における教育・学習編
コミュニケーションの意味を理解させスキルを身につけさせること
瀬山 留加
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.100-102
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101989
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お悩み 臨地実習における課題として,学生は「患者と上手にコミュニケーションがとれない」という内容をあげることが多い。そのように感じた体験や目標を確認してみると,「情報収集のために伺っても,聞きたい情報がとれない」「自然な会話の流れのなかで情報がとれず,一問一答のようになってしまう」といった,言語的データに偏った情報収集を行うことによる困難感や,「沈黙が多く,患者さんの負担になっているような感じがする」「長い時間話が続かず,関係性が築けない」といった,信頼関係を言語量で判断することによる不全感を訴える。
このような状況は,学生が“メッセージを受け取り合い,伝え合う”といったコミュニケーション本来の意味を理解していないことや,自身のコミュニケーションスキルの不足を認識できていないことに起因すると考えられる。実習を通してこれらの問題をクリアし,学生のコミュニケーションスキルを育てるためには,どのような関わりがよいのだろうか。
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