特集 私はこうして学生と向き合ってきた─日々出会うさまざまな悩み
臨地実習における教育・学習編
複数のスタッフからの指導に学生が混乱してしまうとき
青木 由美恵
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.102-104
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101990
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お悩み この学生は実習開始時から,既習の知識や技術を初めて患者に応用するなかでうまく看護ができるのかと,強い不安をもっていた。学生は,患者へのケアは実習指導者またはスタッフ,教員と共に行うが,病棟では患者に応じて柔軟な方法でケアをするため,実習指導者やスタッフにより手順が異なっていた。学生は,計画してきたケアの根拠などについてケア終了時にスタッフから質問されたが,緊張でほとんど答えられず泣きだしてしまった。
また,学生は2~3の看護問題を展開しながら実習を進めていたが,ある日「実習○日目なんだし,これも患者には大切でしょ」と,より多くの看護問題やケアに取り組むことをスタッフに求められた。学生は「スタッフによってやり方や言うことが違うんです。どの看護問題に取り組むか方向性も相談したのに」と,そのつど新しいことを言われて異なる指導を受けているように感じて,すっかり混乱してしまっていた。
学生とスタッフの双方に対して,教員としてどう働きかければよいのだろうか。
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