連載 教育と研究,臨床をつなぐメッセージ やっぱり私は,看護師だった!・11
他者の心に振るえる力と自分の心を鈍くする力
那須 あい
pp.965
発行日 2011年11月25日
Published Date 2011/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101932
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医師の説明に患者が強く動揺しているのがビンビン伝わってきた。だから,患者にとって矛盾がなく,医師が気分を害したりせずにすみ,かつ,患者の心が少し和らぎ,できたら医師が患者の心に気づくようにと願って,一言患者に話しかける。例えば,「先生のお話,わかりましたか」とほほえんだりして。けれども,努力空しく,患者の前で,「余計なことは言うんじゃない」と怒鳴られた。それを見たことで,患者はもっと怯えてしまう。謝って引っ込むほかに,患者の状況をましにする手はない。
いわば,パワーハラスメントとでもいうような状況は,看護師に限ったことではなく,どんな仕事をしている人間も経験する。教師としての日常のなかにだってある。
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