- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
病院では,感染対策委員会,ICD(Infection Control Doctor:感染管理医師)やICN(Infection Control Nurse:感染管理看護師)を中心に,感染管理に関する研修会や感染対策が行なわれています。
在宅においても,チューブ類の装着等医療依存度の高い者や高齢者が増加し,感染管理は重要な課題となってきています。そのため,訪問看護師にはこれら易感染状態にある療養者の感染管理を担当する医療専門職としての役割が期待されるようになりました。
このような現状を鑑み,私たちは訪問看護師を対象にして感染管理の実態や,感染管理に関する学者ニーズ調査等に取り組んでいます。これらの調査を通して訪問看護ステーションなどの訪問看護提供機関において,病院のように感染管理に焦点を絞った教育体制が整備されておらず,訪問看護師は感染管理を実践するために必要な知識・技術を系統立てて継続的に学習することが困難な現状にあることが明らかになりました。
しかし,そのような状況にあるにもかかわらず感染管理に必要な物品が十分に確保されていないこと,実践の場が療養者とその家族の生活の場であること,主たるケア実施者が家族介護者であること等を考慮したうえで,在宅における感染管理を実施する応用力と判断力が訪問看護師には求められています。
現状の教育のなかで訪問看護師はどのように,在宅で必要な感染管理に関する知識・技術を身につけていけばよいのでしょうか。本稿では,訪問看護師が感染管理の知識・技術を身につける時に活用できる学習方法の種類とその具体的な活用方法について紹介します。
看護継続教育における学習方法の種類とその活用
看護継続教育とは,資格取得者向けの教育であり,その実施主体により訪問看護師個々による自己学習,訪問看護提供機関による教育,都道府県看護協会等看護継続教育機関による教育の3つに分類されます(図1)。
ここでは,この3つそれぞれについて訪問看護師が在宅における感染管理に関する知識・技術を身につけるために行なわれている学習方法の種類とその活用方法について紹介します。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.