連載 印象に残ったリハビリテーション事例
医療にどう関わるか―仲間とともに過ごした青春
足立 徹也
1
1聖テレジア病院リハビリテーション科
キーワード:
患者心理
,
いらだち
,
レックリングハウゼン氏病
,
病気との闘い
Keyword:
患者心理
,
いらだち
,
レックリングハウゼン氏病
,
病気との闘い
pp.678-680
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101555
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これから述べる話は,若くしてレックリングハウゼン氏病という病に人生の行く手を遮られ,我が儘や,優しさ,寂しさ,いらだちなど,人間が当然もっているさまざま側面をわれわれにみせながら,時には積極的に,時には落ち込みながらも人生を生き抜き,最後は,信仰の力も借りて,安らかな笑顔で旅立っていったYさんという女性についてのお話です.Yさんの葬儀では,私たちの知らなかった多くの友が彼女との別れを惜しみ,彼女を偲ぶ姿をみることができました.私は某公立総合病院に在職中にYさんの主治医となり,人生のなかのほんの少しの時間をYさんと共有することになりました.
医療の実践にあたっては,人さまざま,いろいろな考えがあると思いますが,患者さんを助けてあげるとか,病気を治すことだけが医師の役割ではなく,“ともに旅をしている人生の友が旅の途中で病に倒れた.自分はそれを支え,励ましながら旅を続けている仲間である”という気持ちで医療を実践していくことが,私の心に最もピッタリとするものであることを,Yさんとの関わりのなかで改めて認識することができました.
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