連載 「教え方」の本を読む!・3
「教える」とは多くの要素でその効果を決定する働きかけ―『「教える技術」養成講座』
山岡 美納子
1
1福井県立看護専門学校
pp.228-232
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101709
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私は19年間臨床で助産師として働きました。その後,看護専門学校の専任教員となるために,約1年の看護教員養成研修を受け教育の現場に着きました。正直,自分が看護教員になるなんて考えたこともなかったので,不安がいっぱいでした。教員養成研修では,「教育とは」「専門教育とは」「看護とは」「看護の専門性とは」「看護基礎教育とは」などの内容を1年近くかけて学びました。そして,教育の現場に着き,理想と現実に戸惑いながらも3年近くが過ぎました。授業や臨地実習では,どんな教え方がいいのか,どのタイミングでどのように学生に介入したらいいのかなど,いまだ試行錯誤している状況です。
今回,遠山紀子著『「教える技術」養成講座』という本を読みました。「受講者4万人以上のベテラン講師が贈る『教え方の奥義!』」という帯に惹かれて……。さらには「教えたで,終わってませんか?」などという,まさに私の今の「この教え方でいいのか?」という悩みにぴったりの言葉が書かれています。教育の現場でいまだに迷うことの多い今の私に,手を差し伸べてくれるのではないかと思い手にとってみた次第です。この本は,5つの章で構成されています。本の内容を紹介しながら,自分の指導について振り返ってみたいと思います。
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