特集 地域精神衛生活動と保健婦
第Ⅲ部 保健婦の活動報告・経験レポート
精神障害者への働きかけ
加藤 ハマ子
1
1宮城県石巻保健所
pp.61-67
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204062
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はじめに
昭和40年精神衛生法が改正され,訪問指導を行なう人は医師,相談員またはその他の人とうたわれている。この法が改正される前に日本看護協会は保健婦もそのメンバーに加えるよう厚生省に請願したことを記憶している。しかし訪問指導員に保健婦を参加させることについては賛否両論の意見が出され,賛成のなかでも現在の保健婦の能力ではその指導が困難であるという意見が多く,3ヵ月くらいの講習の必要性を述べていた。
これらの意見に対して私はなぜ今頃になってこのような意見が出るのかを考えてみた。1つは公衆衛生看護に携さわっている保健婦自身の問題,そのなかでも今までの保健婦業務は身体的疾病を中心に考えられてきた。さらに保健婦はめまぐるしく移り変わる行政のなかで,浮草業に甘んじていたことも大きな原因と思われる。私は昭和30年に業務につき精神病も結核,成人病などと同一対策としてとらえ,訪問指導を行なってきた。精神衛生法改正の時,訪問指導者に保健婦が加わるとか加わらないとかが論じられていることが不思議でならなかった。
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