特集 当事者に聞く 障害をもつ学生をいかに育てるか
障害をもって学ぶ看護学生の日々―ありのままのその人を受け入れることのできる教育の場に
黒井 みゆ
pp.644-645
発行日 2010年8月25日
Published Date 2010/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101519
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障害の状況と看護を選んだ理由
私は生まれつき両耳小耳症,外耳道閉鎖症があり伝音性の障害があります。「片耳だけでよい」という医師のアドバイスにより,右耳に補聴器を装着しています。会話には支障がなく,学校の講義を受ける程度では問題はありません。小学3年生の頃から中学2年生までの,6年間の間の夏休みや冬休みを利用して,入退院を繰り返していた時に,たくさんの看護師さんと関わる機会がありました。看護師さんは診療の補助はもちろん,それ以外にもトランプや風船を用いて遊んで下さったり,勉強も教えて下さり,忙しいにも関わらず,優しく接して下さったのが記憶に残っています。
どんなに忙しくても,笑顔で声をかけてくれ,心身共に看護師さん達に支えてもらい,その時の事がずっと忘れられませんでした。私もこんな風に,病気の人に少しでも,技術の提供だけでなく,心にも安心感が与えられるように,人の役に立ちたい,そして看護師になりたいと思いました。
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